I ♥ Magazine

入稿打合せで白石良一さんの事務所にお邪魔してきました。


白石さんがデザインしている月刊『PLAYBOY』も残り2号で休刊。

創刊以来がんばってきたプレイボーイ・バニー


残念なことです。プレイメイトはともかく、硬派と軟派入り交じる今どきめずらしく知的マッチョな雑誌で、独特の読み応えがありました。とくに名物の“PLAYBOY INTERVIEW”は、ホントいつも力強くて気合い入ってました。ちなみに最新号は大竹伸朗。過去にはジョン・レノン夫妻や村上春樹エミール・クストリッツァなど、世界的な大物も多数登場。ふだん断る人でも『PLAYBOY』なら、とOKしてくれる人も多かったとか。それだけクオリティの高いインタビューだったわけです。


それにしても、雑誌が次々つぶれていってますね。鳴り物入りで7月に創刊されたばかりの『Diaries』(アクセス・パブリッシング)も3号で終わりだそうです……南無八幡。

しかし、よくよく考えてみれば雑誌なんて生活に必要不可欠なものでもないし、このロハスな時代に大量にパルプも使うし、淘汰されていく傾向はしかたないことなんでしょう。


と、アタマではわかってるんですが、一方で、たばことかコーヒーとか映画とか純喫茶とか酒とかレコードとかゲームとかデザインとか雑誌とか、生活にストレートに響かないものを認めて大切に守ることができない国ってのは、けっこう恥ずかしいよなあ、とも思っちゃいます。一見ムダなものが産み出してきたカルチャーがいったいどれだけ自分のこころのスペースをひろげて豊かにしてくれたことか。どうでもよくみえる人生をどれだけ可能性にみちたものとして提示してくれたことでしょうか。ムダなくシステマチックにさらさらとした世界って、割につまんなさそうですけどネ。


それでも、やっぱり雑誌をつくることはおもしろいです。いい雑誌をつくれば、きっとお金を払って買ってくれる人がいると信じています。それができてないのは、大きな時勢はあるにしても、出版社やクリエイターの怠慢や力不足も多々あるんだと思います。


まあ、そういう感じで。ロハスなふりしてがんばろうっと。